「白波」は誰がなんといおうと鹿児島の芋焼酎の代名詞。あの無愛想な味と香りが好きだという方も多いはず。
今は亡き伊丹十三先生の名エッセイ“薯焼酎”からちょっと引用。
“いやあ、どうもこの、お湯で割るなんていうのは並の学問じゃあないね。生活の知恵というんでしょうかねえ、実にいいんです。もうスルスル飲めてしまう。喉に抵抗がない。”
さつま揚げと一緒にぜひ
この酒、まことに、うまい。味わいは豊かで濃く、飲むほどの醇な厚さをもっている。だが、馴染んだ味の白波とは違う。同じように芋らしさを濃醇に表現している他の酒とも違う。余裕でうまさを出しているという感じだ。抑制したそして計算された味わい。さすがだが、なにかが足りない。池波正太郎さんの言葉を借りれば、善だけで悪が見えぬ、というところか・・・